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【小説】69年間待ち続けた男、在る鉄道マンの半生 第57話  

第57話 未來のボヤキ


1996年(平成8年)4月のとある日、由有紀の主人船守から誘いが入り金造がゴルフに出かけた。


翌日姉由有紀から、未來に電話が掛かってきた。


『お前の所も社長さんなんだから、もう少し体裁を考えたら…。お金を貯め込むばかりが能じゃ有るまいし、旦那を10年前のマークツーでゴルフ場に行かせたりして、うちの人も一緒に行った得意先のセールスに後で、”あの方が鉄路の社長さんなんですか?”って聞かれたそうよ、うちの人”どう答えたらよいか困った”って言ってたわ。』
『姉さん所は、共働きで、2人で年収1千万を楽に超えて、芦屋浜の高層分譲マンションに住んで、3台も車持ってるからそんなこといえるのよ』
『何いってんのよ、お前は父さんから会社譲って貰って、家まで建てて貰って。うちなんかマンションのローンもまだ残ってるし、仕方ないから未だに私があくせく働いてんのヨ!お前なんか社長夫人で左うちわで楽してるくせに。』
『何が社長婦人ヨ、冗談じゃないないわヨ、うちの年収いくらか知ってるの?年収1千万どころか700万もないのよ!家だって、やっとこさお父さんを説得して、会社の”寮”と言うことで立て替えたのよ!』
『そんなこと無いでしょ、社長さんでしょ? 何処で聞いても、”鉄路さんは業界でもトップクラスの給与水準で、社員は外車や、国産高級車を乗り回している”って聞いたわヨ!』
『従業員はそうでしょうけど、役員は薄給なの!』
『でも、その代わりに、会社の経費使い放題なんでしょ?家だって会社の経費で建てたって言ったじゃないの、だったら会社の社用車に外車でも買えば良いじゃないの。同じマンションの1階下に住んでる社長さん家の奥さんはそうしているって言ってたわよ』
『なにいってんのヨ、近鉄は大手ゼネコンが断る様な儲からない仕事ばかりうちにさせるし、お父さんは要らない物ばかり買うモンだから経理は火の車で、とても社長専用車なんて買う余裕なんて無いわヨ!』
『そんなこと無いでしょ、父さんは昔から浪費は嫌いで、物を大事にしていたじゃないの!』
『何時のこといってんのヨ、!』
『信じないなら、うちの枚岡の資材倉庫覗いてご覧なさいよ、要らない物が山のようになってるわヨ!』
『お前の会社の事なんだから、私はよく判からないけど、とにかくもう少し、体裁考えなさい!』
『よく判らないんだったら電話してこないでヨ!』
『姉に向かってそんなこと言うなら、もう2度と電話なんかし無いからね。(ガチャ、ツー、ツー、ツー…)』
『何よ勝手なことばかり電話してきて!』


<続く>

[2008/03/16 20:57] 鉄道小説 | TB(0) | CM(0)

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