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【小説】69年間待ち続けた男、在る鉄道マンの半生 第31話  

第31話 久々の国分との対面


同年12月かねてから工事中だった奈良線東花園ー瓢箪山間の高架工事が完成した。
そして同月待望の名古屋駅構内拡張工事も無事に完工した今までの3線2ホームが5線4ホームの当時日本最大の地下ターミナルが完成した。


完成祝賀会に出席した徹路は、国分を見つけて声をかけてた。


『国分君おめでとう、よくやったな』
『ハ、…有り難う御座います』
『どうした、』
『いやそれが、部長御存知でなかったのですか?』
『ナンのことだ?』


『実は私、4年前の5月に名古屋鉄道総括部の営業課に移ったんです』
『…、ナニ、通りで、現場に行っても見かけないと思った、何だ逃げ出していたか』
『部長、大声で言わないでくださいよ』
『イヤ、悪かった、でもそうだろう、なにか…汚れ仕事は性に合わなかったか?』
『イヤ、別にそう言うわけでは無いのですが』
『それなら、何だ言ってみなさい?』
『僕には、どうも技術系の仕事が会わないみたいで、でも折角近鉄に入社したんだから何か自分にしか出来ないことを見つけてみたいと思いまして、心機一転、まずは営業から初めて見ようと思いまして』
『なんだヤッパリ逃げ出したんじゃないか』
『…そう言うことになりますかね、済みません』


彼はペコンと頭を下げた。


『まあ良い、君の人生だ、若いときは色々経験してみる物だ、まあがんばりたまえ』
『ハイ、有り難う御座います。』
『そうだ、その元気だ。』


徹路は、内心少し寂しかった、本当は、この青年が気に入っていた。徹路には無いものを持っているような気がしていたからだ。


たしかに、徹路が見たところ、お世事にも、優れたエンジニアとは思えなかった。だがその国分が、ロスの都ホテル、近畿日本ツーリストニューヨーク支店長、都ホテル大阪支配人、近鉄百貨店社長、近鉄不動産社長、…と近鉄グループを渡り歩き、もう一度徹路の前に現れたときには、45才の若さで、近鉄グループを率いる総領にまで上り詰めるとは、この時想像も出来なかった。



<続く>
[2008/01/20 16:31] 鉄道小説 | TB(0) | CM(0)

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